経済危機に陥っているスペインが、ホーチミン市都市鉄道(メトロ、地下鉄)5号線建設案件のために約束していた5億ユーロ(約530億円)の融資を、2億ユーロへと大幅に切り詰めることを表明した。同鉄道は、新カンズオック・バスターミナル~サイゴン橋間で全長26キロ。融資縮小でプロジェクトの難航が懸念される。
フェルナンド・クルシオ駐越スペイン大使がこのほど、グエン・テー・フオン計画投資次官との会談で明らかにした。
フオン次官は、「スペインからの融資が減れば他の借入先を探さなくてはならないが、わが国が中所得国(MIC)入りしたことから、受けることのできる低利融資は狭まりつつある」と、厳しい状況であることを説明した。
フオン次官は、スペイン経済が早期に回復し、ベトナム向けの融資が復活することへの希望を表明。クルシオ大使はベトナムに対して、民間資本の活用を提案した。
大使は、これまでスペイン経済・競争力省とベトナムとの間で実施されてきた第4期財政プログラムについては、15年まで3年間延長することを伝えた。同プログラムは2008年に締結され、このほど満期を迎えていた。
同プログラムでは、環境問題に力点を置いた援助が行われてきた。そのうち、南部ビンズオン省の固形廃棄物処理案件が現在進行中で、南部バリアブンタウ省内2カ所の水処理案件も、来年中に着手できる見通しだ。
スペインはこれまでベトナムに1億2,000万ユーロを支援しており、現在計3,400万ユーロ相当の案件がスペインの援助で展開されている。